彫刻科美術館見学〜ヴァンジ彫刻庭園美術館〜

先日、彫刻科の昼間部と夜間部の皆で美術館見学に行きました。
行き先は静岡県のヴァンジ彫刻庭園美術館。
数少ない彫刻の為に作られた美術館で、屋内外には多くの彫刻作品とそれと響き合う気持ちのいい空間が広がっていました。
物を作る人間として、物と空間の密接な関係の大切さを再認識させられた気がします。
様々な素材による作品の形態もとても力強くて、充実した見学になったかなと思います。

普段から学院でデッサンや彫刻の訓練をしている生徒達も刺激を受けたでしょうか。。
今後のモチベーションに期待ですね。。。

渋滞もあっての長旅でしたが皆さんお疲れさまでした。

デッサン St.ジョセフとミロのビーナス

芸大1次試験を3日後に控え、タカビ彫刻科では最後のデッサン週間で緊張感を高めています。
本番に向けて、ひとつひとつの作業の再確認、謙虚な観察眼の再確認、そして
何より、合格したい、勝ち取りたいという気持ちを最後まで高めていってほしいと思います。

最近の預かりです。


昼間部K.Hさん。終わりの仕事に責任感を感じるいいデッサンですね。
情報量も豊富で最高の状態が近そうです。この調子です。


同じく昼間部K.Kさん。明快さと自然さが絶妙にマッチしているデッサンですね。
このバランスは本番でも意識したいとこです。

今日はいくつかの高校では卒業式が行われたようですね。
卒業生の皆さん、本当におめでとうございます!

入直3拍子!

科によっては既に芸大1次試験が始まっていますが、
今週の彫刻科は芸大1次試験を1週間後に控え、最後のラストスパートの熱気に溢れていました。
実質最後となる3拍子課題。
本当の意味で3つの作品でベストを尽くすのは誰でも非常に難しい事です。
ここで必要な集中力は人生長しといえど滅多に体験できるものではないでしょう。
日々の課題で得たヒントや手応えを、ここ1番で発揮できることを強くイメージしていきましょう。

今回の3課題でも、それぞれ高い集中力を感じる作品がでました。
通例のイニシャルは伏せて紹介しますので、芸大入試3拍子をイメージして下さい。

まずは組石膏素描。

安心して画面内の空間を感じることができます。
床の水平感がもったいないですですね。


完成のイメージの強さが描きっぷりに表れてますね。
描きたいから描く、というのも大事なことですね。
欲を言えば更に説明力が欲しいところです。

つづいて2次素描

床が気になりますが、コンテの調子を丁寧に扱い、モチーフのシャープさがよく出ていますね。


茶コンテです。今の勢いが構図にも出ていて迫力があります。
少し勢いが空回りして炭が形から浮いてきてますが。。。

最後は2次塑像、人物首像です。

頭部が丸くなる癖が大分ぬけて顔面とのバランスが良くなってきました。
あと少し体の意識が欲しいですが、謙虚な姿勢を感じる秀作です。


一見情報や変化に乏しい塑像に見えますが、
ひとつひとつの形が全体に響き合っていて独特の生命感を感じます。
パッと見の客観視がほしいとこでしょうか。


合格への意識、強さ、情熱は申し分無い塑像です。
しかし、モチーフ(モデル)からから離れ過ぎ、謙虚さを失いつつあります。
1課題ごとの一期一会、懐の深さも大切にしていきましょう。

模刻と自刻像

私大入試も終盤に差し掛かり、最近のタカビは国公立入試ムードが増して来ています。
彫刻科でも少人数ながら、高い緊張感の中で日々造形力が磨かれているのを感じます。
さて、今回はそんな中で出た最近の塑像作品を紹介します。

まずは昼間部のK.Kさん。ブルータスの模刻です。
形に張り付く粘土に緩急があり、充実した完成度ですね。
全体的に印象があと一押し!今の謙虚さに自信を持てればツメの印象も合わせられますよ。

生徒に紛れて私も作ってみました。。。
うーん、もっと頑張らなければいけませんね。完全に年齢に負けてます。。。

そしてこちらは自刻像。昼間部I.Tさんです。
首付きの不自然さが最後まで尾を引いてしまいました。
構造と構成の両立は難しいですが、大きな形の確認は何度も繰り返しましょう。
とはいえ、ピシッと目に止まる秀作です。

最後は高校2年生Y.Tさん。
このリアリティーに迫る集中力は来年も武器にしていってほしいですね。
粗付けの丸さが残っているので、作り始めの面の意識を強くもっていきましょう。

おまけ。
昼間部K.Hさんが何やら時間外で大物を作っているようです。

楽しみですね。

芸大1次まで2週間半!
ひとつひとつの課題に魂を込めていってください。

人体ヌード素描3時間と模刻

今日の彫刻科では私大受験間近ということで「人体ヌード」の素描が行われました。
この課題で重要なことはズバリ、プロポーションです。あと、当たり前だけど構図。
色合いや立体感、生命感といった表現も、これらの上になければ意味を成しません。
人間の自然な佇まいや重量配分、比率を観察することが人間をモチーフにしたときの大義といってよいでしょう。

来週には大手私大の試験がはじまります。
説得力に繋がる謙虚さと、作品に対する熱意を忘れずに挑んできてください。

こちらはその中でバランス良く冷静に描けた昼間部K.Kさんの素描です。
彼女は芸大対策としてコンテを用いて3時間で描きました。
形態感の仕事には及んでいませんが、部分的にでもさらに突っ込んだ仕事、
仕事量のアピールがあると意図が伝わりやすいと思います。

そしてもう1枚。
こちらは夜間部のY.Tさんのメヂチの模刻(約10時間)です。
もともと立体表現のセンスがあったのですが、造形の行程に不安がありました。
今回の課題で粗付け、土台の仕事の大切さをよく理解できたと思います。
これからは動きや骨格、首の構造など、見えない形への観察力も磨いていきましょう。
受験で戦えるレベルが見えてきましたね。
って、まだ高校2年生でした。。。おいおい、、、
この執着心。浪人生にも分けてほしいですね。

彫刻は、視覚から触覚、触覚から視覚への変換の繰り返しから多くを学びます。
試験に備えて、たくさん見て、たくさん触って彫刻感覚を磨いていきましょう。

さあ、本番モードへ!

さて、久々の彫刻科紹介です。今年度初、あけましておめでとうございます。ですね。
先週でセンター試験も終えて、残すは各志望大学の試験のみとなりました。
色々な経験を重ねてきた1年が終わろうとしているのです。
残り約1ヶ月(切ってる大学もありますが)、悔いを残さないように脇目も振らずラストスパートをかけていきましょう。

今週の彫刻科はデッサン、素描、模刻の3本立てでした。
センター後というのもあり、それぞれ少しずつ良い変化をしてきているようです。
その中のメヂチの模刻2点を紹介します。

まずは昼間部K.Hさん。
持ち前の粗付けや印象の良さとは裏腹に、詰めの甘さ、詰めの集中力が悩みの種でした。
今回の模刻では自分流の塑像を脱して、土との謙虚な対話ができつつあります。
髪の毛や髪の毛に至る形の言い切りが弱いところが気になります。
惜しい!

そしてこちらは同じく昼間部K.Kさん。
昨年末に塑像で沢山悔しい思いをしたK.Kさんですが、そこから猛烈な追い上げで力をつけてきました。
今回も、髪の毛のあたりの粘土付けに迷いがなく、とても明快な塑像になってきています。
しかし、具体的な形の作り込みにには全体感の微妙なズレや狂いが付きものです。
ここからの印象合わせがこれからの鍵になりそうです。
次は顔側から写真を撮りたいですね。

注意!今年もインフルエンザが流行しています。
   これから受験生にとって非常に大事な時期を迎えますので、
   それぞれ体調管理、防寒、感染対策を怠らぬようお願いします。心から。

第6回 石膏王のおしらせ

今日(29日)は冬期講習年内最終日でしたが。明日は毎年恒例「石膏王」が開催されます。
今春発行された「鉛筆で描くーかたち・空間・立体感」(グラフィック社)に去年の開催模様が掲載されていますが、
受験生、大学生、講師、専攻の垣根を無くし、デッサン腕自慢が集い石膏デッサンを競うイベントです。

最も注目すべき点は、このイベントがオープンで見学自由であるということです。
様々な科の色々な熟練者達の表現を一度に目の当たりにできるのは全国探してもタカビだけでしょう。
「デッサンってなんだろう?」「あと一歩の上達のコツが知りたい!」等等、
美術に興味をもち始めた人や、頑張っている浪人生も、おおいに刺激を受けると思います。

ふらっと見に来て好きな時間に帰ってもOKですので、是非気軽に来校してください。

・参加する学生に昨年の石膏王からのアドバイス
「東京芸大に合格する程度のレベルでは石膏王にはなれません。
自分の中の最高の作品を目指して頑張ってくださいね。」

塑像強化

というより、粘土といろいろな戯れ方をした3日間でした。
主に構成課題を利用して、塑像表現の可能性を様々な形で体験してもらいました。

その中でうまく作品としてまとまった昼間部K.K林さんの作品を紹介します。

モチーフは「豚骨、ビニールホース、複数のサザエ」(6時間?)です。
以前なら、ただ置いてみただけの構成、質に迫れず、時間も足らず、
と、言われたい放題の塑像が多かったですが、今回の作品からはそんな弱点がほとんど感じられません。
この数週間で身に染みた弱点が、ようやく克服できつつあります。

彼女以外もまだ難点が残るものの、次回作に期待できるものばかりでした。

明日から冬期講習本番。自信をもって今回の予感を確信に変えていきましょう。

明日は全科コンクール

12月19日は高崎美術学院の公開コンクールが開催されます。
当学院の公開コンクールは全ての科の受験生が同じ課題で実力を競い合います。
一般的に科間の垣根が根強い美術予備校界では珍しいイベントかもしれません。

採点や講評は全科の講師が参加し、幅広い視点からアドバイスが聞けるので、
改めて自分自身を理解したり、入試に向けて帯を締め直すよい機会になると思います。
加えて前日に行われた学科試験との抱き合わせ評価も行いますので、志望校合格のための
総合力の分析や入試に向けての対策が人それぞれ明確になってくるでしょう。

コンクールをきっかけにしてより充実した受験期をすごしてください。
いいデッサン、盛り上がる講評会を期待してますよ。

ちなみに参加無料、当日受付OKです。初めての方も大歓迎です。

構成塑像「手とロープ」

今週の彫刻科は塑像課題が2つありましたが、そのうちの1つの構成課題を紹介します。
普段は模刻や首像課題が多い彫刻科では比較的変わり者の課題かもしれませんね。
確かに、構成課題では塑像板の上の空間を自分でプロデュースすることが求められます。
気持ちのいい高さ、ボリューム、角度、明暗。難しく感じる人もいるかもしれません。

しかし、彫刻科において、課題を問わず求められるものがあることを忘れてはいけません。

「与えられたモチーフをしっかりと造り切る」

いくら構成が良さげでも、そのもの自体が中途半端だと見応えがしないですよね。
逆に、単純で簡単な構成でも、モチーフさえしっかりと造れていれば必ず評価されます。

今回紹介する2点の作品は、構成もきれいに見えますがそれ以上に個々のモチーフの存在感が目を引きます。
しかし両作品に共通している難点は「手の構造の弱さ」にあります。
ここを無視して高得点は望めませんよ。

来週も手を含んだ塑像課題があります。学期末の熱いリベンジを期待してますよ。

昼間部スマートフォンのK.Kさん

続いて夜間部S.Yさん